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【2022年最新判例】交通事故での労災と自賠責の“支払い優先”どうなる?最高裁が「弁済の有効性」を明言!

目次

要約:この判例のポイント3つ!

▶ 事故の内容
原付バイクの運転者が加害車両に衝突され重傷。労災保険の給付を受けた後、自賠責保険会社に保険金を請求。

▶ 論点
労災で国に移転された自賠責の請求権と、被害者本人の未填補損害に基づく請求が競合。
保険会社が国へ先に支払った分は「有効な弁済」になるか?

▶ 最高裁の結論
国に先に支払ったとしても弁済は有効!
ただし、国は被害者への不当利得返還義務を負う可能性あり


◆ 事件のあらまし:事故に遭った被害者、労災と自賠責に請求

  • 原付バイクを運転中の被害者が交通事故で左足に重傷。
  • 労災保険の支給(療養補償給付・休業補償給付)を約864万円受給。
  • その後、自賠責保険金(上限120万円)について、本人と国の双方が保険会社に請求

◆ 保険会社の支払対応

  • 保険会社は、被害者に 16万円 を支払。
  • 残りの 103万円 を、労災で代位取得していた国に支払(本件支払)

→ これに対して被害者が「本来は自分が優先してもらうべき金額だ」として訴訟提起。


◆ 原審(高裁)の判断:国への支払いは「無効な弁済」

高裁は次のように判断:

「被害者は、未填補損害については国よりも優先して保険金を受け取れる。
だから、保険会社が国に先に払ったのは有効な弁済ではない。」

つまり、被害者の優先権があるのに、それを無視した支払いは無効!と判断。


◆ 最高裁の判断:保険会社の支払いは「有効な弁済」!

🔍 判決のポイント

  • 自賠責保険金について、被害者と国が両方請求してきたとしても
  • 保険会社が国に支払った分も「有効な弁済」として認められる

✅ たとえ被害者に「優先権」があっても、それは「国と被害者との内部問題」
✅ 保険会社の支払い義務自体は、国の請求でも満たされる!

令和3(受)1473  保険金請求事件 令和4年7月14日最高裁判所第一小法廷判決(破棄自判)

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