MENU

【大学スケート部ハラスメント訴訟】原告の請求棄却、反訴で220万円支払い命令|名誉毀損認定の裁判例 令和1年(ワ)第10286号

目次

1. 事件の概要

本件は、C大学アイススケート部元監督の原告(A氏)が、同部コーチの被告(B氏)に対し、ハラスメント行為による精神的苦痛を理由に損害賠償を求めた訴訟です。一方、被告も原告による名誉毀損を主張して反訴を提起しました。結果、原告の本訴請求は棄却され、反訴については一部認められました。

2. 原告の主張

原告は、被告から無視や陰口、怒鳴り声、陰での誹謗中傷などのハラスメント行為を受けたと主張。これらによる精神的苦痛で体調を崩し、監督を辞任するに至ったとして、慰謝料1000万円と弁護士費用100万円の計1100万円を請求しました。

3. 被告らの反論

被告は、ハラスメント行為の事実を否認。原告の体調不良や辞任は自己判断であり、被告が違法な行為を行った事実はないと反論しました。また、原告がブログ記事や週刊誌インタビューで被告に対する名誉毀損発言を繰り返したことにより、自身の社会的評価が著しく低下したとして、慰謝料300万円と弁護士費用30万円の計330万円を求め反訴しました。

4. 裁判所の判断

裁判所は、原告の主張するハラスメント行為について、「社会通念上許容される範囲を超えた違法な行為とは認められない」として、原告の本訴請求を棄却しました。

一方、原告による被告へのブログ記事、インタビュー発言、記者会見での発言は、いずれも被告がハラスメント行為を行ったかのような印象を与え、名誉を毀損するものと認定しました。違法性阻却(公益目的や真実性)の主張も認められず、反訴については一部認容されました。

5. 最終的な賠償額

裁判所は、原告に対して被告へ
220万円(慰謝料200万円+弁護士費用20万円)
の支払いを命じました(支払済みまで年5%の遅延損害金付)。

シェアをお願いいたします。
  • URLをコピーしました!
目次